カモフラ婚～CEOは溺愛したくてたまらない～
私の言葉を聞いた蒼空は、急に真顔になって私との距離を縮めた。

『そんなこと言って、お前に何ができるんだ』

そう言われるんではないかと身構えた私の頬に、温かい蒼空の手が添えられた。

「本当に？」

「え？」

あまりにも創造とかけ離れた蒼空の反応に、私は首をかしげる。

「由華ちゃん、本当に俺のためになんでも協力してくれるの？」

「もちろんだよ」

蒼空の仕事に関しては何もできることはないけれど、これから来られるであろう蒼空の参列者様たちに、少しでも蒼空の印象を悪くすることなく治める協力はできるかもしれない。

それがどこまでの効力を発揮するかはわからないけれど、他に私が蒼空のためにしてあげられることが思いつかなくて、ぐっと力を込めて頷いた。

「ありがとう由華ちゃん。お願いしたいことが一つだけあるんだ。由華ちゃんにしかできないことなんだけど。協力してくれる？」

添えられた手がゆるゆると頬の膨らみをなぞり、私の返事を促すかのように蠢く。

私には想像もできないほどの大きな責任を背負って今の地位になったのだろう。

今までの彼の努力をこんなことで無駄になんてしたくない。

「私にできることなら協力するよ。蒼空をこのままにしておくわけにはいかないから」

そう言った私を見つめて、蒼空は一言耳元で囁いた。

「由華ちゃん、俺と結婚して？」と。

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