鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
ピコンっ



頭を抱える私の耳に通知音が届く。



『家、来るか?』



そのメッセージに、心臓がドクンッとはねた気がした。






鳳条先輩からの返信の内容をしっかり見ていたのか、見ていないのか、分からないけど、私に対してお兄ちゃんはクスッと笑う。



「その顔は………何とかなったんだな。」


「…う、うん。」


「…そうか。…じゃあ桜妃頑張れよ。」


「うん、ありがとう。」



私が、勇気をだして鳳条先輩を誘えたのは、絶対お兄ちゃんのおかげだ。


立ち上がったお兄ちゃんを見送ろうとすると、お兄ちゃんは私の肩を掴んだ。



「桜妃、恋は簡単じゃないんだからな。」


「えっ、、?」


あれ、なんでだろう。お兄ちゃんの顔が少し苦しそうに見えたのは……


自分のことを言っているかのように見えたのは……



それは……私にとって初めて見る表情だった。
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