明日には居ない君の物語
まず入って一番最初に迎えてくれたのは間違いなく怒っているであろう要のお父さん、もとい、私の主治医…。

「うん、よく来たね。まあ、そんな所に立ってないでこっちに来なさい」

と、目の前にある椅子をトントンと叩く先生。

「い、嫌、で、す」

意味がないとわかっていながらも一応拒否してみる。

「嫌じゃねぇんだよ。ほら、さっさと座れ」

「かっ、要ー!要の裏切り者ーー!!」

「裏切りも何もしんどいのはお前だろ…」
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