明日には居ない君の物語
「ちょっと、2人とも!ほんと落ち着いて!!学校潰す気!?…ケホッケホッ、ハァハァケホッ…!」

あ、まずい。

今このタイミングで発作は流石にやばい…。

「涼香!」「りょ〜ちゃん!」

「ケホッケホッ…ッ…ケホッハァケホッケホッケホッ…」

「涼香、深呼吸だ。出来るか?」

無理だと言う事を伝えたくて、首を横に振る。

「路畑、涼香の鞄から吸入だせ。涼香、ゆっくりでいいから、少しずつ息吸って、吐いて?」

「はいっ」

冬菜が焦って吸入を渡してくる。

「ッ___!」

また、だ…

この心臓を貫かれるような痛み…。

私が呼吸をするたびに強くなる…。

「ふゆ、秋来先生呼んでくる!!」

そう言って走って教室を出て行く冬菜。

「涼香、吸入できるか?」

「ケホッ…ハァ…む、り…ケホッケホッ、ハァッ…」

そう言いながら私の意識は遠のいて行く。

「涼香?涼香!!」

私の異変に気づいて必死に名前を呼んでくれる要。

でも、そんな要に“大丈夫”の一言を言うことすら出来ない…。

そのまま、私の意識は飛んだ。
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