婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「まあ、フローラ様にはすでにお相手がいましたのね。いったい、どなたなのかしら? 教えていただきたいわ」
「ビビアン様も意外とせっかちですのね。わたしの口からは言えませんわ。もちろん、フローラからも。両家の準備が整い次第発表になると思いますから、もうしばらくお待ちくださいませ」
「……」
赤面した顔を隠したいのか俯くフローラは少し泣きそうな顔をしていたけれど、ディアナの言葉を否定はしなかった。ということは、話が進んでいるということ?
ディアナの自信ありげな不敵な笑みとフローラの反応に不安が押し寄せる。
メラメラと燃えるどす黒い炎が全身を包んでいった。