婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
自分の事だけしか考えられなくていっぱいいっぱいだったから、そこまで思いが至らなかったわ。
冷静に判断すればもっと建設的に事が進められたのにと悔いが残ります。そうすれば冷たく言葉を投げつけることも逃げ去ることもしなくてよかったのにと、レイ様に申し訳ないことをしたわ。
「それにしても、断られた時のレイニーの顔を見てみたかったわ。さぞや、傷心して落ち込んだんじゃないかしら」
「ごめんなさい」
「別に責めてなんかいないわよ。ちょっと想像しただけよ」
そういいながら、笑いをこらえているように見えるわ。もしかして、面白がっているのかしら?
「傷心中のレイニーを慰めに行ってあげようかしら」