婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「えっ……」
「何、どうしたの?」
「いえ、なんでもないわ」
うん。何でもないわ。レイ様とディアナは普段から仲がよさそうだもの。会いに行くことくらい何でもないことなのよ。うん、そうよ。
探るようにジーと私の瞳を見つめたディアナは
「今、わたしにやきもちを焼いたでしょう?」
とんでもないことを口にしました。
「いえ、それはないわ。ディアナの勘違いよ」
慌てて首を横に振って否定しました。それでも、ジーと見つめてくるディアナに身の置き所がなくなって目を逸らしました。
「やきもちというか……ちょっと? ほんの少し? 気になっただけよ?」
おずおずと切り出してみると口を押えたディアナの目が見る間に大きく見開かれました。
そんなに驚くことなの? 驚愕の表情で私を見るディアナに狼狽えてしまいます。