婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ふふっ。顔、真っ赤よ」
からかうように指摘されて頬に手を当てました。
本当だわ、熱を持っているみたい。
羞恥にまみれた私はディアナの視線から逃れようと両手で顔を隠しました。ああ、穴があったら入りたい。
しばらく、羞恥に悶えているとディアナの声がしました。
「ねえ、フローラ。真面目な話だけれど、あなたはレイニーのことをどう思っているの? 聞かせてほしいわ」
ディアナの言う通り、真面目で真剣な眼差しが目の前にあります。からかうこともなく面白がることもなく、正面で見据えられた姿に空気が張り詰めたような感じがしました。
少しの間、言葉に詰まりました。
自分の気持ちを打ち明けていいのかどうか。
すでにプロポーズはお断りしている時点で、自分の気持ちは必要なのだろうかと迷います。