婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「思ったよりも時間を取ってしまったから、今頃はしびれを切らして待っているかもしれんな。わしは今日から謹慎を申し渡されておる。そなたは公式の場で事件の弁解を思う存分行うといい」
お母様が一気に泣き崩れた。
お父様は肩を抱いて慰めている姿に異変を感じていると部屋に人が入ってきた。
「すまない。待たせてしまった」
立ち上がったお父様が頭を下げた。
見覚えのある人物の姿に身が竦み全身が総毛立つ。
恐怖でガチガチと噛み合わない奥歯が鳴った。
逃げ出したい衝動に駆られるもどこにも隙がない。
なにより両親が許しはしないだろう。わたくしを庇う気配もなくそこにいるのだから。
そして、気づいた時にはわたくしの目の前に、三人の黒の騎士達が立っていた。