婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ね、ここのソファって何か思い出さない?」
心を高鳴らせているとふいにレイ様の声がしました。
「ソファですか?」
話題が違う方向にいったようで体を起こした私はソファを眺めました。
一番日当たりの良い場所。ゆったりと寛げるソファはレイ様のお気に入り。
「俺にとってはとても重大な事かもしれないんだ。何か身に覚えはない?」
きょとんとしている私にもう一度問いかけるレイ様。
身に覚えって……
「あっ!」
あれから何度となく図書室には来ていたのに。
思い出したのはあの日の私。
まさか、レイ様……。
口に手を当て目を見開く私を面白そうに見つめるレイ様の姿に、見る見るうちに顔が赤らんでいきました。