婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ローラ。顔が赤いよ」
アワアワする私が面白いのかレイ様が至近距離でニヤリと笑いました。
あの日の大胆な行動が甦ってきてますます顔が赤くなってしまうわ。
まさか、まさかですよね。
レイ様、寝ていましたよね?
「何のことでしょう? 身に覚えなど、ありませんわ」
ここはごまかさなくては。あんな恥ずかしいことをさらされたらどうすればいいの?
だって、レイ様ぐっすり寝ていたはずよ。
「そう?」
「はい……」
引きつった顔を隠すように下を向きました。
「再現してみようか? そしたら思い出すかもしれないよね」
すくっと立ち上がったレイ様は私にも立つように促しました。
「あの……」
「いつまでも思い出さないようだから、思い出させてあげる。そうだな、その前のリッキーが言ったことから始めてみる? レイおにいちゃんはローラおねえちゃんのことを……ってところからやってみる?」