婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「違う、だから違うの。そんなつもりではなかったわ。だから……」

「だったら、どんなつもりだったのかしら?」

「それは、わたくしの婚約が決まるまでのちょっとした遊び。夢物語を聞かせていただけよ。フローラ様を害しようなんて思ったこともなければ命令なんてするわけないわ。信じてちょうだい」

「何を言っているのかしらね」

 すでに罪は確定しているのに。
 メイドの独断なのはわかっている。けれど、その犯行に行きつくまでの過程での影響がありすぎたのよ。

「本当よ。謝罪だったらいくらでもするわ。だから許してちょうだい」

「謝罪って誰になさるの?」

「フローラ、様に」

「フローラに。それで?」

「謝ったら許してくれるでしょう? 未遂だったのだし、誘拐されたわけではなかったわ」

 はあ。なんというか、お話にならないわ。

 自分の置かれている立場をちっとも理解していない。罪深さに気づいていない。謝れば許してもらえるなんて、そんな次元ではないのに。

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