婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「そうね。未遂で終わったからよかったものの、もし誘拐されていたら? 今頃、あなたの命なんて消し飛んでいたわよ」
「どうして? わたくしはこの事件には無関係よ。エマが、メイドが勝手にやった事よ。それなのになぜわたくしが責められなければならないの。おかしいわ」
ガシャ、ガシャと鉄格子の音がする。
窮地に追い詰められた人間は何をするかわからない。もっと、頑丈な鉄格子に付け替えた方がいいかもしれないわね。警備も増やそうかしら。
興奮したビビアン様が必死に訴えてくる中アンジェラの静かな声が響いた。
「そうね。あなたのいうことも一理あるわね。確かにメイドが犯行に及んだのは彼女の一存。あなたが犯行を直接指示した証拠はないわ」
アンジェラの言葉に息を吹き返したかのようにパッと顔を綻ばせたビビアン様。
味方を得たと思ったのか親し気な表情に変わった。