婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「一生娼婦として働けなんて言わないわ。二十年間、頑張ればいいのよ。そうすれば解放される。命はあるのだから未来も明るいわ。お給金だって支払われるのよ。あなたの身体がお金になるの。素敵なことじゃない? ただ、半分は孤児院などの施設に寄付。ノブレスオブリージュ。公爵令嬢なのだから当たり前の事ね。残りの半分はあなたのものよ。どう? なかなかいい話だと思うわ」
ボロボロと涙を流しながら首を左右に振るビビアン様。
獲物をいたぶるような冷酷な目つきで眺めるアンジェラ。
「もう決定したことなの。命を取られないだけでも有難いと思いなさい。生きてさえいれば、これから先の未来はいくらでも変えられるのよ。娼婦になったからといって絶望することはないわ。もしかしたら、あなたにとって天職かもしれなくてよ。でもそれは体験してみないとわからないものね。だからよい機会だと思うわ。自分の適性を見つけるためにも行ってらっしゃい」
子供の無限の可能性を信じて社会に送り出す母親のような口調でにっこりと笑う。
内容に目を瞑れば、思わず「はい」と頷きたくなってしまうわね。