Purity ~君を救える術があれば~
「ねえ、純くん」
「ん?」
「嫌じゃなければ、手を繋いでいてほしいの…」
 まるで、今にでも泣き出しそうな声で言う純ちゃんは、ベッドの壁側に寄り、僕のためにスペースを空ける。
 僕は、そっとベッドに横たわると、白い手を握りしめた。
「純ちゃんは何も心配しないで。今夜は早く眠ろう?」
 そう言うと、純ちゃんは安心したように頷き、すぐ眠りに落ちた。
(おやすみ…純ちゃんの悪夢は、もう終わったよ)
 心のなかで語りかけ、僕も夢の中へ…。
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