Purity ~君を救える術があれば~
ピュアティ
 昨夜は早くに眠ったせいもあり、4時台には目覚めた。この頃、夜明けが早い。夏がもうすぐそこまで来ているのを感じる。
 純ちゃんは、まだ夢の中だ。
 繋がれた柔らかな手をほどくのは惜しいけれど、今日は早朝の電車に乗って連れていきたいところがあるから。
 僕はベッドを抜け、勝手に冷蔵庫を開けさせてもらう。
 昨夜買ったアルコール類は、また今度。とりあえず簡単に朝食を作ろう。料理というほど大したものはできないから、文字通り簡単に、だが。
「…純くん!?」
 純ちゃんが勢いよく起き上がる。
「あ、おはよう。もしかして、朝食の匂いで目が覚めた?」
 笑いながらそう言うと、純ちゃんは安堵したような表情を見せる。
「よかった…。だって、目覚めたら純くんが居ないから」
「俺は何処にも行かないよ。今日は朝から出掛けようって言ったじゃん」
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