プラットホーム


「も〜ちゃんと聞いててよね?
あのね、今日あたし彼氏と遊ぶのよ。そいで彼の友達も来るから、千耶も来て?」

何を言うかと思ったら、そんなこと…。


まだ波打つ心臓を、落ち着かせるために一息つき、満面の笑みを浮かべた。


「やだっ!
和歌子、私苦手なのそういうの…」

「え〜いいじゃん?
たまには息抜きもしなよ」

「…和歌子。
私が息抜きなんかしたら、あの家は崩壊する!
間違いないね」


頭の中で妄想を浮かべると、嫌な光景しか見えてこない。


「ははっ…確かにそうかもね」


和歌子も想像したらしく、可笑しそうに笑っている。


私の家は、お父さん,お母さん,二つ下の弟,八つ下の妹

で、構成されている。




お父さんは、普通のサラリーマン。


お母さんは、根っからのお嬢様気質で、家事全般を苦手としている。


弟は、受験生だから、勉強に専念させたいし、
妹は、小さいから私が面倒見なきゃダメだし。




だから、たまの息抜きなんてしてたら、きっと大変なことになる。



「じゃあ、千耶はパスだね」


残念そうに言う和歌子を見て、私は苦笑する。




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