39回目の3月9日
「美春(みはる)、律斗(りと)くんと仲直りしないの?」


親友のエレナがこう尋ねてくるのも、もう39回目だ。

それに対する私の返答も、また変わらない。


「当たり前でしょ。間違ってるのはアイツなんだから」

「そんなこと言わないでさあ……。
美春の気持ちもわかるけど、あたしは仲直りした方がいいと思うよ?
だって、卒業したら離れ離れになっちゃうんでしょう?」

「絶対イヤ!」

「美春……」

「アイツが考えを変えるまで、私は絶対に折れない」


エレナは困ったような、悲しむような顔をする。

こんな顔をさせてしまうってわかっていながら、私は自分の言葉を変えることはできなかった。


私は、何も間違ってない。

全てはリトのためなんだから。
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