39回目の3月9日
リトと私は、幼稚園のときからの幼馴染だ。

風が吹くとふわふわ揺れる、茶色がかった柔らかい髪がワンコみたいなリトに告白されたのは、高校2年生の春。


「ハル。俺……ハルと彼氏彼女になりたい」


嬉しかったしオッケーしたけど、同時に不思議にも思っていた。

『ずっと友達だったのに、なんで急に?』って。

今ならわかる。
リトはあの時点で、自分の進路を決めていたんだ。

心残りがないように生きるって、決めていたんだって。

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