君と過ごした最高な日ー残り1ヶ月の恋ー
淋side

友情、恋は終わらない





アイツが卒業して、俺達は2年生になった。


2年生になる前は、悲惨で進級出来んのか?と思ったぐらいだ。

それを思わせる出来事があったからだ。

それは……

〝テスト〟。

単位は、良かったがテストが……

これは、やばいっっ!と思って、頭を悩ませてた時だ。
知里は、アイツに連絡していた。

なんでだよ!と、まで思ったけど……まぁ、無事に進級出来たわけだけどな。

あん時は、焦った〜


で、2年生になって、イベント事が少しレベルを上げた。

秋に行われた文化祭、出店を開く事ができた!

そりゃーみんな、大騒ぎ。


「やったー!」

「出店!」

「こら!先生の話を聞きなさい……出店なんだが何をしたい?」

と始まって……決まったのが、〝メイド喫茶〟。

女子共は、メイドの姿で男子は、執事。

中々……イケてたわ。



当日、アイツが友達を連れてやってきた。


アイツは、知里を見るなり頬に手をあてて触ってる。

くそ!女たらしが!俺の彼女に触るな!


知里は、なぜかアイツに顔を赤らめているし!

ほんとに!最悪!


知里の彼氏は、俺だろ!


まぁ、なんとか文化祭が、終わった次の日のことだ。



みみと明は、風邪を引いてというか……風邪の理由で仮病で休んでいる。

いるのは、俺と知里だけ。

だけど、これも……あと1年。

俺は知里に見つめられていたのを気づく。




「?……どうした?知里」

「うんん?なんでもない」

「そうか。てか、アイツら仮病使って休むなってんの」

「はぁ〜」と、溜息を零す。

俺は、再び口を開く。

「俺達も、仮病で休むか」

「え!」

「冗談。アイツら、今頃……って_____」


なんで、教室にアイツが居るんだ?

部外者は、学校居ちゃダメだろ。


知里もそれを見る。

案の定驚いている。


「……!彪斗先輩?!どうしたんですか?!」

「あー、無事進級できたかなーって、様子見に来た。大丈夫そうだね!」

「はい!」

「今日の放課後空いてる?」

「え……っと」

知里は、俺を見た。

俺は、反応しない。

と、アイツが話しかけて来た。

ウザ。



「淋くん。目付き悪!そんなんじゃ、他の人に嫌われちゃうよ?」

「大丈夫です。俺は、知里一筋なんで」

「いいね〜……でも、俺も譲れないから。
じゃ!また、後でね!知里ちゃん♡」

彪斗先輩は、教室を後にした。


(・д・)チッなんだよ、アイツ!


思わず言った言葉。

「アイツとまだ、繋がってんの?」

「うん」

「そう。なんか、あったら俺に言えよ?
すぐ、飛んで行くから」

「うん!ありがとうー!」


放課後、俺と知里は別れた。


だけど、気になってこっそり知里の後について行った。

ん?

路地裏?


俺は見る。

「はぁ……」

やっぱり。



「おい、何してんだ」


知里が、ビックリして俺を見る。

アイツも見る。


「あーあ。邪魔が入っちゃった」

「先輩は、誰の女性でも手を出すんですね」


悪いけど、調べさせて貰った。

彪斗っていう先輩は、気にやる人や、可愛い人にすぐ手を出す男だった。

そんな人に、知里はあげない。

いや、最初から渡さないけど。


「ずっと、見ていました。先輩が、する行動を」

「はぁ?」

「可愛い女性には、するんですね。そういうのダメだと思いますよ?」

「……ふん」


知里は、目を見開いている。


「あはは!そうだよ!可愛い女の子には手を出す。当たり前だろ?手を出さない子の方がおかしいよ」

ソイツは、笑う。

「あ”ぁ”」


「俺は、好きな人にだけやんだよ」


「……」


と、その時見えない速度でソイツを知里は、殴った。

怒った顔で。



バコ


「?!知里?!」


俺は、驚く。


「許せない!です!もう、金輪際私に話しかけないで下さい!」


ソイツは、頬に手をあてている。


「くそ!」

ソイツは、その場から逃げて行った。


知里は、恐る恐る俺を見た。

俺は、笑顔を知里に向ける。


「知里」

「……怒ってる?」

「うんん」と、首を横に振る。

「良くやった!知里」

「えへへ。私、ああいう男大嫌いなんだよね!」

「それでこそ、俺の彼女だ」



こうして、知里は、アイツとは、縁を切った。


それからというもの、イベント、テスト事を乗り越えていった。





それから、3年が経った。

俺達は3年生に上がった。


このクラスで勉強をしたりするのはこれで最後だ。

思う存分、知里を独占するぞ!




「知里ー」

「次の授業なにー」

「英語だよー」

「英語かー……授業終わったら、カフェ行こ!」

「なぜに?!」

「頑張ったご褒美」

「あー、なるほどね〜」

と、知里達の声が俺の耳に入る。


ここの学校は、1時限目を終えて遊びに行くことが多い。

要するに、〝サボり〟って言うやつだ。


C組だけな。



「俺達も一緒に行ってもいい?!」

「もちろん!」

「やった!」

「じゃあ、4人だね!」


何故だが、知里は、スマホを見ていた。

また、アイツとラインしてんのか!

知里も、懲りねぇな。





と、知里のスマホから、ライン電話が来た。


...♪*゚


「誰から」

俺は、知里に言う。

「んー……ごめん、授業出れない!」

何も告げないまま知里は、教室を後にした。

「あ!ちょっと!知里?!」

みみの声を無視。


俺はいても立っても居られずに知里の後を追った。

誰もいない教室。


空き教室から、知里の声が聞こえて来た。

やっぱり、アイツか!

「もう、話しかけないで!と、言ったはずです」






ガラガラッ!


俺は、知里が居る空き教室のドアを開いた。

「!」

「……」

無言で、知里に近寄る。

そして、知里のスマホを奪う。


「先輩」

『!……淋くん』

「先輩、しつこいですよ?」

『淋くんにも、聞いて欲しい』

「なんですか?」

『淋。俺が間違ってた。』

「……それで?」

『だから、淋くんに1から教えて欲しい』

「何を」

『恋愛』

「それは、自分自身に聞いてください。俺は、そんなことには乗りません。では」

『ちょっ!』


プープープー……


スマホの通話を切って知里に渡す。

俺は、知里を優しくハグをする。


「!淋……くん?!」

「俺は、知里を誰にも渡さない」

知里は、ハグを返す。

「うん……♡」


この後、俺と知里は秘密の甘い蜜の時間にした。

キスの味って……甘いな。

それからというもの、結局カフェには、行った。



「みみちゃんは、いちごにしたの?」

「うん!そうだよ!私、いちご好きー。知里は、抹茶なんだね!」

「お茶が、好きだから」

そんな些細な話も終わってしまうのか…と思うと……

悲しいな。

ま、いいけど。

俺は、卒業しても知里を離したりしないから。



カフェの帰り道。

知里と俺は、明とみみと別れた。


そして、俺達は今俺の家に居る。

残りの夜の時間は、甘い蜜の続きをした。

知里の体、柔らかいな。

食べたくなりそうだ。




10月。

修学旅行。


修学旅行は、歴史深い場所に行った。



3年間は、あっという間。

気づけば、卒業の時期だった。





「______もう、卒業の時期かー」みみは、言う。

「そうだなー」

そして、明。

「長くて、短かったよなー」

「でも、楽しかったよ」と、知里。


かったりぃーかった授業。

4人が居て飽きなかった。


「知里」

俺は、知里の頭をポンと触った。


すると……知里は。


ポロン……と、瞳から涙を流した。


「あれ?私……」

俺は、知里を優しくハグした。

何も言わずに。

「うわあああ泣」


知里は、泣き出してしまった。

この3年間を思い出して泣いているのだろう。


みみも明も、知里の背中をさすって落ち着かせている。

仲間って、良いな。


みみもつられて泣き出す。

それを、明は慰めている。




知里は、落ち着きを取り戻した。

「知里?」

「ん?」

「俺達4人は、死ぬまで一緒だ。安心しろ」



卒業しても、俺たちはこれからも続いていく。

終わらない友情と恋愛。


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