キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~


「1年以上もデスクが隣だったのに、何で今まで気が付かなかったんだろう……」

「先輩も凄いですよね」

「え、何が?」

「すぐ騙されませんか?」

「え、て……。う、嘘なの?」

だって、夢みたいだけど。
他の子に言ったら、絶対に頭おかしいって、夢だって、笑われるだろうけど。


でも、こんなの目の前で何度も見せられたら、信じるしかないじゃない。
頭がこんがらがった状態で、甲斐くんを見上げれば。



「ま、先輩のそういう所、いいと思いますよ」

そう言って、少し困ったように眉を下げた彼の手が、私の頭をポンポンと軽く触れる。

なんかいつもスカしてるイメージで、生意気だなと思っていたけど。いや、生意気なんだけどね。

でも、想像以上に骨ばった大きな手に、ドキリと心臓が飛びはねた。


「え、あー、ありがとう」

なんだか急に照れ臭くなってくるな……。

< 12 / 29 >

この作品をシェア

pagetop