キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~
「1年以上もデスクが隣だったのに、何で今まで気が付かなかったんだろう……」
「先輩も凄いですよね」
「え、何が?」
「すぐ騙されませんか?」
「え、て……。う、嘘なの?」
だって、夢みたいだけど。
他の子に言ったら、絶対に頭おかしいって、夢だって、笑われるだろうけど。
でも、こんなの目の前で何度も見せられたら、信じるしかないじゃない。
頭がこんがらがった状態で、甲斐くんを見上げれば。
「ま、先輩のそういう所、いいと思いますよ」
そう言って、少し困ったように眉を下げた彼の手が、私の頭をポンポンと軽く触れる。
なんかいつもスカしてるイメージで、生意気だなと思っていたけど。いや、生意気なんだけどね。
でも、想像以上に骨ばった大きな手に、ドキリと心臓が飛びはねた。
「え、あー、ありがとう」
なんだか急に照れ臭くなってくるな……。