赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


「もしかして、私が言い返すと思わなかったの?」
「だって、昨日は麻里奈が何言っても言い返してこなかったじゃない! 匡くんの前だからって猫かぶってたわけ?!」
「匡さんは私の性格なんて全部知ってるよ。昨日言い返さなかったのは、匡さんの前だからじゃなくて麻里奈ちゃんと初対面だったから。どんな子なのかもわからないのに喧嘩腰で返したりしないよ。それに、年も近いから仲良くなれたらいいなとも思ってたし」

匡さんに本気で想いを寄せていたのなら、あれくらい怒るのは当然だと思った。

だから、気持ちの整理がつくまではきつく当たられても仕方ないとも考えたけれど、それは偶然会ったとして、の話だ。

こんなふうに、こちらの事情も考えず自ら乗り込んできてソファにふんぞり返りガンガン攻めてくるのは違う。

「でも、麻里奈ちゃんには歩み寄ってくれる気はなさそうだし、仲良くなるのは諦める。私も、私のことを敵視してる人相手にわざわざ下手に出て丁寧に応対しようとも思えないから、今後はスルーできない発言されたら言い返すからそのつもりでいてね」

私が微笑みを浮かべて穏やかなトーンで言った言葉が意外だったのか、麻里奈ちゃんは呆気にとられた顔をしてから、悔しそうな顔をしてうつむく。

てっきりヒートアップして罵倒に拍車がかかると思っていたのにその様子はなく少し拍子抜けする。

もしかしたら、あまり言い返された経験がないのだろうか。


< 83 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop