赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


でも……それもそうか。ここまで私に執着してああだこうだと言ってくるのは、他でもない匡さんが絡んでいるからだ。

私以外に対してはここまできつい態度はとらないのかもしれない。……それにしては、私を非難する態度にこれっぽっちも迷いがなかったけれど。

「どんなことしてでも離婚させてやるから」

ぼんやりと観察していると、麻里奈ちゃんが私を睨んで言う。

その顔は悔しそうではあるものの、この家に乗り込んできたときのような険しさは消えていた。

思いがけず反論され内心驚いたのにそれを表に出せない様子の麻里奈ちゃんを見ていたら、なんだか気持ちがほころんでいくのを感じた。

かなりの威勢のよさだったから気付かなかったけれど、もしかしたら年齢よりも内面は幼いのかもしれない。

「ずっと匡さんを好きだったって言う麻里奈ちゃんが私を認めたくないっていうのはよくわかるし、私だって自分自身匡さんと釣り合ってるなんて思ってないよ」

私の言葉に希望を感じたのか、表情を明るくしかけた麻里奈ちゃんに笑顔を向けた。

「でも、だからといって諦めて別れるつもりはないから。麻里奈ちゃんが私を追い出そうって一生懸命なのと同じで、私も匡さんの隣にいつまでもいられるように頑張らないとって必死なの」

分不相応なんてことは自分でよくわかっている。
でも、だからといってこの場所をやすやすと手放す気はないと告げた私に、麻里奈ちゃんは不満そうに眉を潜めて背もたれにドカッと体を預けた。


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