リスタート〜さよなら、私の初恋〜
足が、体が、頭が、ものすごく重い。

「失礼しました」

教員室で早退届の紙を書き終わり、挨拶をして廊下に出る。

「はぁ」

今日何度目かわからないため息が無意識に出てしまった。教員室の扉の横に置いておいたリュックを背負い、昇降口へと向かう。

「え、陽向?」

昇降口で靴を履き替えていると、運悪く今1番会いたくない人に出会ってしまう。瞬だ。

「帰るの?」

彼は、驚いた顔をしながら聞いてきた。私は、「うん」とだけ返事をしてそのまま瞬に背を向けて歩き出す。

「え、ちょ、陽向。体調悪いなら送ってくけど」

そんな声が後ろから聞こえてきたけれど、無視して歩く足を早めた。うるさい、うるさい、うるさい。彼女がいるんだから、私なんかに優しくしないでよ……。
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