ママの手料理 Ⅲ
自分に逆らう奴、見栄を張る奴、面白くない奴らは全員死ねばいいと軽く考えていた。


何があっても死にたくない自分の代わりに、お前らが全員死ねばいい、と。


それは、もちろん今回にも当てはまる。


「お前今すぐ死ね」


「その言葉、そっくりそのままお前に返してやるよォ」


そんな身体で俺をどうやって殺せるんだよォー?、と、相手はニヤニヤ笑いながら挑発してくる。



ああ殺したい、今すぐ息の根を止めてやりたい。


それにしてもタイミングが最悪だ、どうして右腕にスタンガンを…卑怯にも程があるだろう。


「…何で俺を捕らえた?」


言いたい事は沢山あるけれど、それら全てを飲み込んだ琥珀は小さく息を吐き、質問を投げかけた。


しかし、


「何で?…ん、邪魔だったから?」


やはり、今すぐぶち殺したくなる答えが返ってきて。


「意味分かんねぇ…こっちは盗みに来てんだ、お前の相手をしに来たわけじゃねーよ」


怒りを押し殺して淡々と返しながら、琥珀は自分の首元を汗が滴り落ちるのを感じていた。



無線機は辛うじて壊れていないようだけれど、イヤホンが耳から外れているせいで味方の声が聞こえない。


GPSは無事だと思うけれど、銀河は自分が捕らわれているだなんて夢にも思っていないだろう。
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