魔法石の錬成修行(闘病記録)
動作を続けてできない・・・
ひとつの動作をやるだけで、
いっぱい、いっぱいなのだ。

毛布をかぶり、目を閉じた。
次は、パンツをはこう・・・・
そう思った。

それから2時間おきくらいに、
目をさました。
こたつの上の経口補水液を、
一口何とか飲む。
それを繰り返した。

いつのまにか夜になっていた。
明日は9時に
クリニックに行かねば・・・・

それから姉に電話をした。
メールを打つ気力がない。

「ああ、私だけど、体調が悪い、いっぱい吐いた。
ご飯が食べられない。こっちに来てほしい」
やっと、それだけいう事ができた。

姉はいつもの調子で
「えーーーー、無理無理、
子どもの検診があるから」
電話の向こうで、
子どもたちがキャッキャッ騒いでいる声が
聞こえた。

私は何も言わず、そのまま、
電話を切った。
説明する気力も、お願いする気力もないのだ。

マンチ姫の温かい毛皮だけが、
私を力づけてくれた。
< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop