魔法石の錬成修行(闘病記録)
気持ち悪さと、みぞおちの違和感が、重層低音のように続く。

テレビも何も・・・つける気力がない。
室内は静寂だ。
ふと、末期がんの人は、
こんな感じなのかと思い当たった。
自分の思うように体が動かない。

それでも、上半身を何とか起こして、考える。
「次、できるか?
立ち上がれるか?
こたつに手をつけて、起き上がったら」

あと、経口補水液を
何とか飲まなくては。

パンツとパジャマをはかなないと・・・
下半身はすっぽんぽんなので・・・
強く決意を固めないと、
体を動かすことができない。

こたつに手をついて
ようやく立ち上がり、
キッチンのパントリーにあった、経口補水液のペットボトルを取り出した。

なんと
ペットボトルのキャップが開かない。
ひねる力がないのだ。

それでも何回か、力をいれると開いた。
二口ほど飲むことができた。

そのまま、ペットボトルを持ち、こたつに戻り横になった。
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