ティアドール
「コアは、回収しょう」

フェーンは、照準をガルのブースターに向けた。

「くそ!」

河村は一瞬の判断で、前にいるノアの破壊を優先することにした。

「避けないか」

フェーンは、フッと笑った。

「良い覚悟だ」

フェーンと河村がほぼ同時に、引き金を弾こうとした。

その時、黄金の鳥とノアに向かって、ミサイルが飛んできた。

「く」

フェーンは、機体を移動させた。

「くっ!」

アーサーはブースターを点火し、上に飛び上がった。

「!」

河村は驚きながらも、引き金を弾いた。

放たれたビームは、破壊した部分ではなく、ノアの足に当たった。

「河村候補生!待たせた」

オリジナルフィギュアがある格納庫から、十機のブシが出てきた。



「これ以上、似た者達に、我が国を荒らされてたまるか!」

混乱から、規律を取り戻した基地内は、反撃に転じた。

「やつらの新型よりも、黄金の鳥を注意!見えないならば、空に弾幕をはれ」

管制室で司令官は、オペレーターに命じた。

基地の至るところから、空中で旋回する見えない鳥を狙って、ミサイルが発射された。

「物に数をいわすか!」

フェーンは、機体を旋回させると一瞬で基地から出た。

そして、反転すると、基地を囲むフェンスギリギリの高さで、再び戻って来た。

「15年前までは、戦いを忘れた民族だったのにな」

フェーンは、空中で飛び回るミサイルの下を真っ直ぐに、格納庫向かって、機体を疾走させる。

数秒後には、格納庫に突入しているはずだった。

「!?」

しかし、ビームが、黄金の鳥の進路を遮った。

「確かに、あんたの機体は速い!」

ビームマシンガンを撃っているのは、河村のガルであった。

「しかしな!目的がわかっているならば!予測できる!」

ビームマシンガンのリミッターを外すと、信じられない程のビームが放たれた。

「いいパイロットだ」

フェーンはにやりと笑うと、機体の進路を変えた。

「覚悟もある。判断力もある!しかしな」

黄金の鳥は、足で地面を蹴ると、強引に右手に流れた。

そこには、ガルがいた。

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