太陽のような君をもう一度
「春谷高校に合格しました」



私、広瀬美嶺のその一言に職員室はほっと安堵のため息が溢れた。



「そうか、おめでとう。我が校で春谷高校に受かった生徒がでたのは数年ぶりだ。今年も倍率が高かったのに良く頑張ったなぁ。さすが広瀬」

「先生たちのご指導のおかげです。ありがとうございました」



担任の無邪気な賞賛にようやく私は肩の荷がおりた気がした。

模試の結果は常にAだったからきっと誰も私が落ちるなんて思っていなかったのだろう。

その期待は重い石みたいに私に乗っかっていた。

ようやく取り除かれたのに私の心はなぜか晴れない。



なぜか?……ううん。本当は分かってる。



『ごめん。もう別れよう』



夏の暑い日で青日向が広がっていたあの日、雨みたいな冷たい言葉がずっと心を濡らして、吸い取ってしまった私の身体は重たくてしょうがないのだ。



あの太陽のような笑顔はもう私に向けられない。



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