契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
 あれ? 最初はすごく誠吾さんのことを褒めていたのに、最後は悪口になっていない?

 すると館野キャプテンはお茶を飲み、深いため息を漏らした。

「そんなあいつでも、鮎川ちゃんのことになると冷静を失うんだ。ちょっとしたことで俺に嫉妬して目くじらを立てたりして。やっと人間味のある可愛い後輩に思えたよ。……恋ってすごいな」

 しみじみと言われ、どう答えたらいいのかわからなくなる。だって誠吾さんが嫉妬? 目くじらを立てるってなに? 想像できなくていまいちピンとこない。

 それは顔に出ていたようで、館野キャプテンはクスリと笑った。

「言っておくけど本当だからね? 俺が鮎川ちゃんと話しただけできつく当たってくるんだから。……それだけ本気で愛せる人と出会えたあいつが羨ましく思うよ」

「館野キャプテン……」

 少し悲しげに目を伏せた姿に胸がギュッと締めつけられる。

 私もこんなにも好きだと思える人と出会えたことに、すっごく感謝しないといけないよね。だって誠吾さん以上に素敵な人なんていないと思うし、そんな人が私と同じ気持ちだなんて奇跡に近い。
< 184 / 236 >

この作品をシェア

pagetop