エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】  ~続編更新中~
「あの、もしかしてですけど、昨晩ミヲ君と電話で話したりしていましたか?」
「えー?ううん、昨日は街の方に送ってっただけよ?帰りはタクシーで帰ってたみたいだけど」

っていうことは昨日の電話はお母様じゃないのか。

「なにかあったの?」
「いいえ、なんでもないんです!」

ってことは違う女の人か。
ミヲ君の事、信じてはいるけど、他に好意を持っている人と対面するのは・・・なんか嫌だな。

ああもう、私は何のためにここに来たんだよ。
うじうじして気持ち悪い。

「賄いのレモネードなんだけど、一緒に飲まない?」
「あ、すみません!いただきます」

ん?
ちょっと冷静になって気が付いたけど、さっき厨房で話してた嫁候補って・・・私の事か!
ミヲ君、ご両親ににわたしの事もう話しているんだ。

「葵さん、ミヲのこと、宜しく頼みますね」
「あ、そんな、こちらこそ宜しくお願いします、あの、不束者ですが」

なんか言葉が変になっちゃった。恥ずかしい。

「ミヲはね、小さい時からいっぱい我慢させちゃったから、子供らしいことまともにしてあげられなかったのよ」
「そうなんですね」

うん、それは何となくわかる。
自分の事より人のことを優先しがちだもの。

「言い訳にしかならないけど、夫が不在のことが多くてね、弟妹たちのお父さんみたいな役割もさせてしまっていたから」

それも、三波さんのことだけみてもよくわかる。
そうか、お父さんが不在がちだから余計に心配していたんだよね。
ましてや普通じゃ考えられないご事情もあったし。

「東京でご兄弟に会わせていただきました。三波さんだけ会えなかったですけど」
「ミナはね、お盆くらいに来たの。とーっても歌が上手な彼氏さんを連れて来てね」
「そうなんですね。えーっと、海外でライブ遠征の後に来たってことですかね?」
「そうなの、海外遠征が終わって少し道内ツアーもしてたみたい。日本ではまだ認知度がないけど、海外では有名なアーティストとツアーを周っているそうなの。なんだか、あの子の夢が叶っているみたいで嬉しくなっちゃった」

そうか。
なんか、―――いや、なんかというか、何となく。
三波さんの出生について少し疑問に思うことはあった。
なんでわざわざ、代理出産までして実兄の子を身籠ろうとしたんだろうって。

でも、今目の前にいるこの人の表情を見てしまったら、そんな疑問が無くなってしまうほど無邪気だ。

反面、そのことでミヲ君が苦しんでいたというのに。
弟さんや妹さんたちのことを大事に想うミヲ君を見ていたのに、その後そのことで悩むミヲ君を考えられなかったのだろうか?



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