エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「・・・こりゃ酷いね」
家に帰り手作りケーキの不格好さに笑えた。
「誰がケーキもまともに作れない女なんかに惚れるんだよ。こんなケーキ見せられたらひくっての」
やはり夢を見過ぎたのかも知れない。
普通だったら分かる事なのに恋って怖い。
もう少しで甘い魔法にかけられてしまうところだった。
「ぶっ―――アハハハ!」
その思考がもうヤバいな。
自分のバカさ加減に呆れた夜。
それでも、なかなかいい夢だったと思えた数ヶ月だった。
それからミヲ君とは距離を置こうとおもった。
相手に不審がられたらどうしようと思ったけど、悲しいことにそんなことはなく日々が過ぎていく。
思えば私が一方的に通ってたんだっけ。
私から連絡を取らなかったらこんなにも距離がとれていくのも何だか虚しい。
たまに誘いの連絡が入るけど、仕事が忙しいとか友達や家族と約束があると言って断り続けたらついにお誘いもなくなった。
結局、彼との間にあったのは幼稚な約束だけだったな。
結局指輪も見るだけで注文しなかったし。
私とミヲ君の間には何も無かったんだ。