エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
もしかしたら、もしかしたらだけどね。
今日はみなさんが帰ってくるのを待ってたんじゃないかって思ってしまったんだ。
一緒に住んでる事を話してくれないのは、つまり・・・そう言う事なんじゃないかって。
彼にとっての私はその子と別れた寂しさを埋めるだけの存在じゃないかって、どこかで思うんだ。
もうここに戻ることのない彼女への想いを、疑似的に私に向けている?
別れてやけになって私と結婚しようとか言ってたのだろうか・・・ってところまで深読みしてしまう。
ミヲ君が帰って来るまでそんなことをボーっと考えていた。
「たまたま、お母さんにレシピを習ってね、試したくなったの」
「ふーん、そうか」
ミヲ君は終始ニコニコしてたけど、今日が誕生日だということは結局話してくれなかった。
泊まっていかないの?と聞かれたけど、平日だし帰ることにした。
今日は帰りたいと思ってしまったんだ。
みなという女の身代わりになんてなりたくないって思ったから。
「ああ、お客様。これ、お預かりしていた物です!」
「あ・・・すみません」
エントランスにいた係員に預けてもらっていたケーキを受け取った。
もしもを想定して管理室の冷蔵庫に預けてもらってて良かった。
うっかり冷蔵庫に仕舞っていたら言い訳できないくらいの恥をかくところだったよ。