ゆっくり、話そうか。
物語はすっかり勉強会へ向けてゴーアヘッドになっていた。
諦めたやよいは、覚悟を決めて頷いた。

「なぁんだよぉ、日下部よぉ、冷たいこと言うなよー」

泣きつく尚太。

「お願い、ついでに私たちも教えて?」

万智も、お願いお願いを繰り返して日下部に念を送っている。
すると、両手を合わせて拝む万智の前に、尚太がいきなり割り込んだ。

「こらっ、万智っ、俺以外に色目使っちゃだめって言ってるだろ!」

「つかってないよぉ」

また余計な方へ話が脱線し、くだらなさにため息が漏れた。

尚太、俺にはなんにも刺さんないから。
心配しすぎ。
ていうか、

「やるならそういうのも禁止。絶対俺の前でやらないでね、鬱陶しいから」

ほんと鬱陶しい。
 
暇があれば二人いつもベタベタしている姿に胸焼けを感じていた日下部が、ここぞとばかりに不満を突きつけた。
わりと辛辣なことを言われたはずなのに、あっけらかんとして喜ぶ二人が日下部にとっては不思議でしかたがない。
楽しげににこにこして、勉強会決定を喜んでいる。

「じゃいつにしよっか?」

「土曜とかよくね?そしたら教えてもらったヤマを日曜頭に叩き込めるし」

「だねっ!」

お祭り好きが揃えば話はとんとん拍子に進むもので、否定無しは肯定としてどんどん話が進んでいく。
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