ゆっくり、話そうか。
「どこにする?市立図書館がいいかなぁ?」

「あそこ涼しいからいいよなぁ」

「俺の家でいいよ。土曜なら誰もいないし、図書館は園村さんが無理だと思う」

まさか自分の家を提供してくれるとは思わず、日下部宅に訪問できるのかと気持ちが上向きになったところで気づく。

今軽くバカにされた?
園村さんが無理て、なん。

「どういう意味やねん」

それはもしかして私が沈黙に耐えられへんいうことか?

不快度高く、不満も込めて日下部を見据える。

「図書館は静かにしなきゃなんないでしょ?あそこは一人でぶつぶつ言っても睨まれちゃうとこだから」

「そうだねぇ」

そうだねってなん!
万智っ、そうだねってなん!!

まさかそんなにうるさくしていたのだろうか。
別にいつもギャーギャーいっているわけではないが、ぶつぶつ何かを言うことは否定できない。
現に、それを日下部には何度か聞かれている。
しかし万智までそれに同意するとなると…

「やよいっちたまに心の声だだ漏れてるもんなぁ」

いつも一緒の尚太も、何かしらを聞いているわけで。
いったいどの心の声がだだ漏れていたのか確かめる勇気もなく、日下部への想いでないことを祈るしかなかった。

「じゃあ土曜日に日下部くんの家に決定!!お昼食べてから?13時ごろ?でいい?」

「分かった。尚太は家分かってるよな?」

「おうっ。皆つれてく!」

あっという間に話しはまとまり、勉強会が開催されることになった。
やよいとしては複雑で、日下部と休みの日に会えるドキドキと、日下部宅訪問のワクワク、それに反して学力露見の危機からくるハラハラで心は大忙しになっている。

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