敏腕パイロットは純真妻を溢れる独占愛で包囲する
プロローグ 可奈子の疑念
その記述を可奈子(かなこ)が見つけたのは、ある休日の昼下がりだった。

部屋の掃除をしていて、うっかり夫の日記を机から落としてしまったのだ。

その黒い皮のノートが彼の日記だと可奈子は知っていたから、もちろん中を見るつもりなどなかった。でも落ちた拍子に開いてしまったのである。

すぐに元に戻そうとして、どこか不可解な記述の内容に、眉間にシワを寄せて手を止める。

そしてそれが書かれた日付に目が釘付けになる。

《ここまでは、すべて計画通りにいった。だがまだ油断は禁物、これからも慎重にことを進めなくては》

 日付は、ちょうど一週間前、自分と彼の結婚式の日だった。
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