一夜限りと思ったワンコ系男子との正しい恋愛の始め方
花束とねぎらいを受け止めるより、美晴の同行者がどんな人物なのかを探る方が理恵にとって重要らしい。つられて振り返り、健斗の姿を確認した。ロビーの壁際に立ち、こちらのことを眺めている。まるでワンコが待てをしているようだと美晴は思ったが、確かに健斗のことを知らない人間からすると、あの体格の良さ、目付きの鋭さからボディガードと揶揄されても仕方ない。
理恵がぺこりと頭を下げると、健斗も気付いて下げ返す。なんだか微笑ましいなとぼんやり眺めてしまったが、理恵の追及は緩まなかった。
「美晴さん、最近どんどんとキレイになってるなーと思ったら、やっぱり恋でしたか。なかなかの男前ですね。あの筋肉、イイなぁ」
「いや彼氏、では無い。かな」
ちょっとズレた褒め言葉を聞きながら、美晴が戸惑い、首を傾げてやんわりと否定する。
「もしかして付き合ってること秘密です? 私、別に会社の人達に広めないですよ」
「えーっとそうじゃなくて、遊び友達、みたいな?」
確かに付き合って欲しいと告白され付き合い始めたが、恋人なのかと聞かれると、即答できずに黙ってしまう。自分のやらかしから、健斗に対して若干の後ろめたさがいつまでも残っている。週末の外出を重ねて楽しい思い出が増える度に、健斗の相手が自分で良いのか自問してしまうのだ。こんな中途半端な心境を、会社の後輩に立ち話で説明することは美晴には出来なかった。
「遊び友達って、なにするんです?」
「週末に映画行ったり、ハイキング行ったり」
「え、どのくらいの頻度で?」
「今月に入って毎週末……」
「夜は?」
「夜までいないよ。夕飯前に解散です」
聞かれるままに答えると、理恵の目がどんどんと見開かれて大きくなる。
「凄い。めっちゃ健全じゃないですか!」
「だから遊び友達なんだって」
「違いますよ。それだけ真剣に交際しているってことですよね」
「はい?」
なにを言われたのか理解できずに聞き返した。
理恵がぺこりと頭を下げると、健斗も気付いて下げ返す。なんだか微笑ましいなとぼんやり眺めてしまったが、理恵の追及は緩まなかった。
「美晴さん、最近どんどんとキレイになってるなーと思ったら、やっぱり恋でしたか。なかなかの男前ですね。あの筋肉、イイなぁ」
「いや彼氏、では無い。かな」
ちょっとズレた褒め言葉を聞きながら、美晴が戸惑い、首を傾げてやんわりと否定する。
「もしかして付き合ってること秘密です? 私、別に会社の人達に広めないですよ」
「えーっとそうじゃなくて、遊び友達、みたいな?」
確かに付き合って欲しいと告白され付き合い始めたが、恋人なのかと聞かれると、即答できずに黙ってしまう。自分のやらかしから、健斗に対して若干の後ろめたさがいつまでも残っている。週末の外出を重ねて楽しい思い出が増える度に、健斗の相手が自分で良いのか自問してしまうのだ。こんな中途半端な心境を、会社の後輩に立ち話で説明することは美晴には出来なかった。
「遊び友達って、なにするんです?」
「週末に映画行ったり、ハイキング行ったり」
「え、どのくらいの頻度で?」
「今月に入って毎週末……」
「夜は?」
「夜までいないよ。夕飯前に解散です」
聞かれるままに答えると、理恵の目がどんどんと見開かれて大きくなる。
「凄い。めっちゃ健全じゃないですか!」
「だから遊び友達なんだって」
「違いますよ。それだけ真剣に交際しているってことですよね」
「はい?」
なにを言われたのか理解できずに聞き返した。