素直じゃない君は。
仕方なく家まで送っていく帰り道。

「ねぇ、このまま那央の家に泊めてよ。」

「…今日は帰れよ。酔っ払いの看病、やだよ。」

「もう酔い冷めてるもん。

今日は一緒にいてほしいの。1人なんていや。」

「さっきまで1人だったじゃん。」

「お酒がいたもん。」

「じゃあ帰ってからも飲みなよ。」

「明日早いからこれ以上は飲めないの。」

「それこそ早く帰んないとだろ。」

「…なんか、今日の那央は冷たいね。」

「失恋した日に別の男の家に泊まろうとする奴

には当然の対応だと思うけど。」

あ、やばい。言いすぎたかも。

「…ふふっ、そうかも。あーあ、そりぁこんな奴

上手くいくわけもないかぁー」

「…悪い。言い過ぎた。」

「ううん、那央が正しいよ。

それに、私は知ってるから。」

「なにを?」

「那央はいつだって、私のワガママを叶えて

くれるから。」


少しでも言いすぎたと思ったことを後悔した。

その通りだ。

今日だって、どうせこいつは俺の家に泊まる。

俺はこいつには逆らえない。

彼女は今日、俺じゃない男を想って、失恋して、

ヤケクソになってるんだ。

それを分かっててこうやって迎えに来てしまう。

お互い様だ。

俺も、こんなことばっかりしてるから

いつまで経ってもうまくいかない。


「…どうだろうね。」

そう言って、俺はそのままハンドルを

自分の家の方向に切り替えた。
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