エリート警察官は彼女を逃がさない
もしかしたら、警察官ということも嘘で詐欺師とかの可能性すらあるのではないか。

パーティークラッシャーの取り締まりをしていると言っていたが、彼らがそれだった可能性だってゼロではない。

もう、何がなんだかわからない。連絡が取れないことも。他の女性と泊まることも。

もういい。

私の中に芽生えたのはそれだけだった。実家に帰ろう。きっと父にも母にも怒られるかもしれないが、その後は助けてくれるはずだ。

その日、両親には申し訳ないが祖母の介護が大変なためと嘘をついて、早期に退職できるようにしてもらった。
引継ぎなどはあるからすぐには無理だが、それでもつわりが酷くなる前にはやめられそうだった。
大好きな仕事だったし、迷惑をかけることになるのは申し訳ないが、赤ちゃんを諦めるそんな選択はなかった。
父親はいなくても、たくさんの愛情をかけて育てよう。そう思った。
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