溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「あーあの童顔の?」

「童顔じゃないですよ!!」

「いやいや童顔でしょ」

「でも、めちゃカッコいいじゃないですか!」

「はぁ?優星の方が———」

「もう、照れちゃうなぁ」


2人とも、彼氏さんのこと大好きなんだなぁ。

……ん?

あ、あれ?


2人のことで頭がいっぱいで、紛れた声を誤差で認識する。


慌てて後ろに振り向くと——。


そこには、

周りをざわつかせながらこちらへ向かって歩いてくる3人の姿が。


「え、莉央?」

「優星?」

「ち、千星先輩……!?」


な、なんでここに先輩たちが!?


その時、昨日の出来事がフラッシュバックしてくる。


……もしかして、千星先輩が私たちのお出かけを許してくれたのって……。


あとで、みんなで乗り込んでくるからだったの!?

……なんだか、複雑だ。


莉奈ちゃんと美鈴先輩と、3人だけでお買い物に行きたかった気持ちもある。


けれど——
< 142 / 150 >

この作品をシェア

pagetop