溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
「あ、ごめんつい可愛かったから」

「か、簡単に可愛いとか言っちゃダメですよ!」


みんなに勘違いされちゃう……っていうかこんなことサラッと言えて、やっぱりモテるんだろうな……。


「簡単になんて言ってないよ?っていうか女の子に可愛いとか言ったことないし」

「……ふぇ?私女じゃないから言ったんですか!?」

「ちがうちがうだからね」


いつのまにか頭に回された手。


「へ?!?」


いつのまにか先輩の顔が間近にあって、ドキドキと鼓動が加速し始める。


「僕が可愛いなんて言うのは、真白ちゃんにだけだよ?」

「っ……」

「顔赤いけど大丈夫?熱かな」


コツンッ。


ドキドキ……そんな効果音がついてしまいそう……。


先輩はなにも気にせずに私のおでこに自分のおでこを当ててくる。


「んー。熱はないみたい。よかった」


にこっと可愛らしくもカッコいい笑みを浮かべた先輩。


「や、やめてください!」


パシッという音がして、私は先輩を振り払ってしまったことに気がついた。


「あっ……ご、ごめんなさい!」

「ううん、ごめんね、急にびっくりしたよね」

「い、いやっ……本当、ごめんなさい……」

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