揺れる水色*
 ――あれ? 同じ中学だった瀬川くんだ。

 クラスが離れていて、同じ中学だったけれど一度も話したことのない男子がバスに乗ってきた。一瞬、目が合った気がした。

 彼は後ろの方へ無理やり割り込んで行く感じで行き、ちょっと距離があったから、特に気にせずに私はずっと窓を見て、流れる景色を感じていた。

 それから彼は毎日乗ってきて、乗る度に私は彼をちらりと見て、きちんと乗れたかな?って確認していた。彼の高校の方が近いから、先に降りてゆく。私は彼の背中を視線で見送る。

 
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