雨降る日のキセキ
「あ…兄貴…っ!!」


ガクガク震える足を無理矢理動かし、歩道に横たわる兄貴に駆け寄る。 


真っ赤な鮮血が止めどなく流れ、土砂降りの雨に混ざって薄れていく。


「兄貴…!!!しっかりしろ兄貴!!」


揺さぶっても反応は全くない。


「兄貴っ!!!」


ビクともしない。


動かない。


「嘘…だ……」


俺のせいで…?


俺が突き飛ばしたせいで…?


「朝陽くん…!!!朝陽くんっ!!!朝陽くん!!!」


俺と同い年くらいの女の子が、紺色の傘をほっぽり出して兄貴にしがみついた。


「いやっ!!朝陽くん…っ!!!朝陽くんってば!!!!」


泣き叫びながら兄貴の身体を揺さぶる女の子。


俺は、彼女を見ているだけで何もできなかった。


手には兄貴を突き飛ばした時の感覚がハッキリと残っている。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


女の子の悲鳴が響き渡る土砂降りの日。


兄貴はその場で息を引き取った―。



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