雨降る日のキセキ
兄貴の隣を歩きたくなくてバッと駆け出そうとした俺の腕を兄貴が掴んできた。
「離せよ!!」
「千隼が俺のことを嫌ってるのは分かってるけど、言っていいことと悪いことが―」
「うるさい!!」
とにかくムシャクシャする。
兄貴が嫌い、兄貴のせいで、兄貴さえいなければ。
黒い感情が全身を染めていく。
「離せって言ってんだよっ!」
ありったけの力で振りほどく。
それでも構おうとしてくる兄貴が鬱陶しくて、俺は兄貴を後方へ突き飛ばした。
―キキィィィィィィィッ!!!
アスファルトとタイヤが激しく擦れる音。
目の前に猛スピードで迫ってくる大型トラック。
それは、俺が突き飛ばしたせいで体勢を崩した兄貴の背中に正面から衝突し、兄貴を空中へ投げ出した。
まるで、スローモーションだった。
何が起こったか分からない。
ただ、歩道に乗り上げたトラックと遠くへ投げ飛ばされ血まみれで倒れている兄貴が、淡々と状況を語っていた。
「離せよ!!」
「千隼が俺のことを嫌ってるのは分かってるけど、言っていいことと悪いことが―」
「うるさい!!」
とにかくムシャクシャする。
兄貴が嫌い、兄貴のせいで、兄貴さえいなければ。
黒い感情が全身を染めていく。
「離せって言ってんだよっ!」
ありったけの力で振りほどく。
それでも構おうとしてくる兄貴が鬱陶しくて、俺は兄貴を後方へ突き飛ばした。
―キキィィィィィィィッ!!!
アスファルトとタイヤが激しく擦れる音。
目の前に猛スピードで迫ってくる大型トラック。
それは、俺が突き飛ばしたせいで体勢を崩した兄貴の背中に正面から衝突し、兄貴を空中へ投げ出した。
まるで、スローモーションだった。
何が起こったか分からない。
ただ、歩道に乗り上げたトラックと遠くへ投げ飛ばされ血まみれで倒れている兄貴が、淡々と状況を語っていた。