魔法石の錬成修行(別の魔法石問題・その2)

<確定診断>
検査結果をもとに、
主治医の判断、今後の動向の話がされるのだ。

待合室で、
バックからメモ帳とボールペンを出した。

主治医の話は、書き留めておかないと
忘れてしまうか、抜けてしまう。

具合が悪いと、
脳内の記憶キャパが、極端に低下するのだ。
筆記用具をポケットに入れて、
診察室ですぐに出せるように
準備しておいた。

私の名前が呼ばれた。
指示されて、ドクターの前の
小さな丸い椅子に座った。

ドクターは、CT画像をどんどん
スクロールして、確認している。

「胆のう炎ですね。
胆のうが炎症を起こしています。
治療法は手術になります」

し、しし…手術かぁ・・
生まれてこの方、
やったことないし・・

ドクターは淡々と、CT画像に視線を固定したまま
説明を続けた。
「炎症を起こしているので、
手術、通常は腹腔鏡手術ですね」

「血液検査の結果では、
軽症の胆のう炎です。
今、すぐに手術はしなくてもよいでしょう」

「ははは・・い」
「今日は自宅に帰っていいです。
これから心電図を取るけど、
その前に、点滴を抜いてもらってください。」
そう言うと、初めて私の顔を見た。

「今後の検査のオーダーを出します。
日程を組みますから・・・」

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