魔法石の錬成修行(別の魔法石問題・その2)
上は金具やボタンがついていないものなので、
着替えなくてよいと言われた。

点滴の腕を、動かすのも注意しなくてはならない。
更衣室の椅子に座り、下だけなんとか履き替えた。
受付に戻ると、
すぐに名前が呼ばれた。

技師のお姉さんに名前を確認されて、
CTのベッドに横になる。
「造影剤で着る物が、汚れることがありますが、
大丈夫ですか?」

上が検査着でなかったからだろう。
確認された。
「大丈夫です」
そう答えると
両腕を万歳するように、指示された。
「息を吸って、止めて・・」

マイク越しに指示がでる。
「それでは造影剤を入れます。
体が熱い感じになります。
もし、気分が悪くなったら、
すぐに言ってください」

突然、
鼻からアルコール臭い感じが抜けた。
次に指先に熱感、
体にぶわっと熱感が広がる。

「それでは、撮影します」

それから数分で、検査が終わった。
「検査は終了です。
もとの診察室に戻ってください。
先生の説明があります」
受付で終了のチェックを受けて、
よろよろと歩く。
< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop