友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
2人の時間
「…んっ……」


かすかな物音がして、わたしは目を覚ました。


どうやら私は、黒色の寝具に包まれて眠っていたようだ。


…こんな色の布団、わたしは持っていない。


体を起こして、ぼんやりとした視界で見渡してみる。


どこか見覚えのあるような、ないような――。


そのとき、部屋の隅の黒いカーテンが波打った。


目を向けると、そこから現れたのは…わたしのよく知る人物。 


「…一之瀬くん!」



――ということは。

ここは、ONEのアジトの一之瀬くんの部屋…!


しかも一之瀬くんのベッドで、わたし…寝ていたんだ!


「向坂。無理しなくていいから、寝てろよ」

「で…でもっ…」

「食欲はある?なにが食べられるかわからなかったから、一応おかゆにしたんだけど」


一之瀬くんは、トレイに乗せたおかゆを目の前に出してくれた。
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