ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
――で。帰ってみると不機嫌さ全開の未紘くんが待っていました。
「ごめんなさい、帰るの遅くな――きゃっ」
「……なんでこんな遅いの。めちゃくちゃ心配した」
「うぅ……そんな強く抱きしめたらわたしがつぶれちゃいます」
「湖依やわらかいから大丈夫」
これはしばらく離してもらえなさそう。
今日はメイドの仕事をお休みにしてもらってるから、やることはとくにないけれど。
「えっと、先に着替えちゃダメですか?」
「そーやって俺から逃げようとするんだ?」
「そ、そういうわけじゃ」
「んじゃ、俺が着替えさせてあげる」
「だ、だだだ大丈夫です!」
「いーよ、遠慮しなくて」
「してないです!!」
着替えをするだけでもひと苦労です。