ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
「ひっ……!! む、虫が飛んでます……!!」
「そりゃ窓開いてるから虫も入ってくるよね」
「な、なななんで未紘くんそんな冷静なんですか!!」
「虫なんか放っておけばどっか行くでしょ」
「む、無理です無理です……! わたし虫すごく苦手なんです!」
小さい頃キャンプに行ったとき。
山の中を歩いていたら偶然頭の上に虫が落ちてきて。
びっくりして走り回って、おまけに思いっきり転んでケガをした……という悲惨な思い出があるせいで、今でも虫は大の苦手。
「こ、こっち飛んできてます……!」
お願いだから虫さん近づかないで!
「なんもしてこないから大丈夫だって」
「うぅ……無理なんです、怖いんです……」
とっさに未紘くんの腕にギュッとしがみつく。