ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜



未紘くんにとってはキスってそんなにたいしたことないものなのかな。

どんなつもりで、どんな気持ちでしてるの?


わたしは恋愛のことあんまりわかんないから、未紘くんが何を考えてるのかますますわかんない。



「だって湖依が可愛いことするから」

「うぬ……」


未紘くんの相手をしていたら準備が全然進まない。


未紘くんから逃げるように、食器を片づけたり他の家事をして。


そろそろ寮を出ないといけない時間なのに。


「もう着替えないと間に合わないです!」


なんとまだ部屋着姿の未紘くんが呑気にソファに座ってるではないですか。


「……着替えるのめんどい」

「遅刻しちゃうじゃないですか!」


「んじゃ、湖依が着替えさせて」

「へ……」


「これもメイドの仕事でしょ?」


――なんて、強引に甘えられちゃって。

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